日本で新型コロナウイルスの第7波が来ていた2022年8月に、重症者率などをグラフで確認しました。それから半年が経過したので、第8波の状況も含めてデータを再確認します。
なお、前回調べたときの記事はこちらです。
感染状況のデータ
国内の状況
厚生労働省が、Webサイト『データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-』にてデータを公表しています。次のようなグラフを見ることができます。
これら3種類のデータ以外に、重症者数など他のデータも見ることができます。また、各グラフ右下の「オープンデータ」から、CSV形式のデータをダウンロードすることもできます。
同ページのグラフでは、年代別のデータが週別(直近1週間)で図示されています。そこで、オープンデータをExcelで整理して、年代別のデータの推移を次の通りグラフにしてみました。
新規陽性者数の推移
2022年9月21日から、性別のデータは公開されなくなったようです。そのため、それ以前の期間を含め男女合計の数値のみ図示します。
第8波は第7波よりやや少ないピークを示し、減少に向かっています。ピークの値は第7波と同程度に見えますが、年末年始は昨年の夏より行動制限が緩和されていた印象があります。それでも同程度のピークを示しているということは、第7波よりも感染力が低下したか、検査を受けに行く人が減ったのではないでしょうか。
重症者数の推移
オミクロン株と比べると、第7波以降はピークの値が小さくなっています。男性に関しては、第7波よりも第8波の方が若干多いようです。
新規陽性者数に対する重症者率
母数の新規陽性者数は性別データが2022年9月20日までしか公開されていないので、重傷者率も男女合計の値を図示しました。
先ほど図示したように、男性の重傷者数は第7波より第8波の方が若干多かったのですが、重傷者率で見ると2022年5月以降(第7波と第8波の期間を含む)はどの年代でも1%を下回っています。デルタ株が流行していた頃と比べると、かなり落ち着いたと考えてよさそうです。
海外との比較
前回調べたときと同じく、『Our World in Data』で日本を含む各国のデータを比較してみます。
100万人あたりの新規陽性者数
2023年になってからは、日本の陽性者率が他国を上回っています。ただし、先ほど見たように重傷者率が1%以下であることを考えれば、そこまで心配する必要はなさそうです。
100万人あたりの死者数
こちらも2023年になってからは日本が最も多いですが、それでも100万人あたりで4人程度なので警戒するほどではなさそうです。
おわりに
相変わらず、テレビなどでは「陽性者数」や「死者数」の推移に関する情報が目立つように感じます。しかし、行動制限などの対策を考える際に重要なのは感染力と影響度を見積もることです。そのためには、本記事のように「重傷者率」の推移を見るべきだと思います。
新型コロナウイルス流行前の日常に戻れるよう、マスクなどの規制が早期に緩和されることを願います。