概要
フーリエ級数展開を理解する上で欠かせない、三角関数の直交性をみてみましょう。
関数の内積
ここでは、2つの関数 \(f(x),g(x)\)の区間\([a,b]\)の内積を次のように考えます。
\begin{eqnarray}
\langle f(x),g(x) \rangle = \int_{a}^{b} f(x)g(x)dx
\end{eqnarray}
積分区間が\([-\infty,\infty]\)になっている式も見たことありますが、ここではある区間\([a,b]\)にしか注目しません。あと、左辺に区間の記述が入っていないけど気にしない!
丁寧な説明を知りたい方は、次のページなどを読むと良さそう。関数の内積の捉え方を、ベクトルの内積の拡張として説明しています。
三角関数の内積
この記事では三角関数(sin,cos)にしか関心がありません。
積の順序は関係ないので、次の3種類の内積を考えることにします。
\begin{eqnarray}
\langle \sin(mx),\sin(nx) \rangle = \int_{a}^{b} \sin(mx) \sin(nx) dx \\
\langle \cos(mx),\cos(nx) \rangle = \int_{a}^{b} \cos(mx) \cos(nx) dx \\
\langle \sin(mx),\cos(nx) \rangle = \int_{a}^{b} \sin(mx) \cos(nx) dx \\
\end{eqnarray}
試しに、区間を\([-\pi,\pi],m=2,n=3\) として1つずつ見ていきます。それぞれの関数の積分と併せて見てみましょう。
sin同士の内積
cos同士の内積
sinとcosの内積
グラフを見ると、いずれの内積もプラス(x軸の上側)の面積とマイナス(x軸の下側)の面積が相殺して \(0\) になっている様子がわかりますね。
関数の直交性
上記の例のように、内積が \(0\) になる2つの関数 \(f(x),g(x)\) は、区間 \([a,b]\) で直交していると言います。もともと2つの直交したベクトルの内積が \(0\) であることから、関数にも直交という表現が拡張されたっぽいですね。
好きなパラメータで試してみよう
さて、よく知られている直交性については確認できましたので、ここからは好きなパラメータで内積を調べてみましょう。
上述の例では三角関数の周期に合わせて区間の長さを \(2\pi\) にしていました。また、三角関数の振幅は \(1\) にしていました。
これらのパラメータをいろいろと変更して内積を計算し、直交する条件を確認しましょう。
関数の選択
内積の対象とする関数 \(f(x),g(x)\) を、次の2種類からそれぞれ選んでください。
パラメータの設定
積分区間\([a,b]\) と \(c_1,c_2,m,n\) を色々と変えて試してみましょう。整数でなくても大丈夫です。
下記の条件を満たすように入力し、「表示」ボタンを押してください。
\(a,b\) は、それぞれ [入力値 × \(\pi\)] となります。
- \(-2\pi \leq a \leq 2\pi,-2\pi \leq b \leq 2\pi\)
- \(a \lt b\)
- \(-2 \leq c_1 \leq 2,-2 \leq c_2 \leq 2\)
- \(-100 \leq m \leq 100,-100 \leq n \leq 100\)
\(a=\) \(\pi\),
\(b=\) \(\pi\)
\(c_1=\) ,
\(c_2=\)
\(m=\) ,
\(n=\)
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