会社員の頃からデスクワークが多くてエネルギー消費が少ない方だと思うのですが、基礎代謝に必要な炭水化物ってどのくらいなんでしょうか。。と、いうことで調べてみました。
そもそも炭水化物とは
定義
炭水化物(carbohydrate)は、組成式 \(C_m\left(H_{2}O\right)_n\) からなる化合物である。
炭素 \(C\) と水 \(H_{2}O\) からなるので炭水化物です。わかりやすいですね。
分類
栄養面で考えるときは、消化吸収されやすい「糖質」と、消化吸収されにくい「食物繊維」に分けることが多いようです。食物繊維も炭水化物なんですね。
炭水化物の役割
糖質
炭水化物の栄養学的な主な役割は、脳、神経組織、赤血球、腎尿細管、精巣、酸素不足の骨格筋等、通常はぶどう糖しかエネルギー源として利用できない組織にぶどう糖を供給することである。
炭水化物の役割と書いてありますが、食物繊維は吸収されにくいため、糖質の役割と解釈して良さそうです。
酸素不足の骨格筋などへのエネルギー供給は運動量によると思いますが、脳・神経や循環器系のエネルギー供給はデスクワーク中心の人でも摂取した方が良さそうです。
なお、糖質は次のように分類することができます。
分類 | 化学式 | 具体例 | |
---|---|---|---|
糖類(甘みの主成分) | 単糖類 | \(C_6H_{12}O_6\) | ブドウ糖、果糖、ガラクトース |
二糖類 | \(C_{12}H_{22}O_{11}\) | ショ糖(砂糖)、乳糖、麦芽糖 | |
その他の糖質 | 多糖類 | \(\left(C_6H_{10}O_5\right)_n \) | デンプン |
糖アルコール | \(C_nH_{n+2}\left(OH\right)_n\) | キシリトール |
ところで、上記の引用文の記述はブドウ糖に限定されています。果糖やガラクトースはエネルギー源にできないのかな。。?
食物繊維
食物繊維は吸収されにくいのですが、腸内環境を整える働きがあるようです。食物繊維は水に溶けやすい水溶性のものと、水に溶けにくい不溶性のものがあります。
水溶性の食物繊維
ワカメなどに含まれるアルギン酸 \(\left(C_6H_8O_6\right)\) などが該当します。
水溶性の食物繊維は、腸内細菌の餌になり、その作用で乳酸や酢酸などが作られます。これにより酸性化した腸内では、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増え、整腸作用に繋がるそうです。
他にも、糖質の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールを吸着して体外に排泄する役割もあるようです。
不溶性の食物繊維
穀類や野菜などに含まれるセルロース \(\left(C_6H_{10}O_5\right)\) などが該当します。
不溶性の食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促します。これにより便通がよくなります。
どのくらい摂取すれば良いか
糖質
仮に基礎代謝量を 1,500 kcal/日とすれば、脳のエネルギー消費量は 300 kcal/日になり、これはぶどう糖 75 g/日に相当する。上記のように脳以外の組織もぶどう糖をエネルギー源として利用することから、ぶどう糖の必要量は少なくとも 100 g/日と推定され、すなわち、消化性炭水化物の最低必要量はおよそ 100 g/日と推定される。
まあ糖質は少なくとも 100 g/日くらいは摂っておくといいんじゃないかと書いてあるようです。なお、上記の数値は次の仮定に基づいて換算しています。
- 脳のエネルギー消費量は、基礎代謝量の20%
- 糖質 1 g につき、約 4 kcal のエネルギーを産生する
\begin{eqnarray}
脳のエネルギー消費量 &:& 1,500[kcal/日]×0.20=300[kcal/日]\\
脳のエネルギー消費量(ブドウ糖換算) &:& 300[kcal/日]×(1/4)[g/kcal]=75[g/日]\\
脳以外も含めたエネルギー消費量 &:& 75[g/日]+\alpha[g/日]\simeq100[g/日]
\end{eqnarray}
おもに脳のエネルギー源としての役割を重要視しているようです。そのため、糖質が不足すると、判断力が低下したり、注意力が散漫になる可能性があります。
食物繊維
生活習慣病に効果があることを示唆する研究報告はあるものの、まだ仮説段階のようです。
食物繊維摂取量と生活習慣病との関連を検討した疫学研究は数多く存在する。しかしながら、それらの関連を量的に(量・反応関係を)示した研究はそれほど多くはない。
一方で、食物繊維の摂りすぎによるリスクは懸念されていないため、研究事例を参考に食物繊維の摂取基準は 24 g/日としています。
まとめ
炭水化物は糖質と食物繊維に分類されます。
糖質はおもに脳のエネルギーを使いたいときや、足りていないとき(注意力が低下したとき)に補給しようと思います。
食物繊維は適度に摂取しないと腸内細菌が減りそうな気がするので、海藻類や穀物なども食べるように心がけたいです。