どの地域でもゴミの分別はしていると思いますが、どの区分にすればよいのか迷うことがあります。そこで、そもそも何を目的として分別する必要があるのかを調べてみました。

分別の必要性

ゴミ処理の基本方針

ゴミの処理は、昭和45年(1970年)に公布された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理法)」に基づいて決められています。廃棄物処理法の目的は、「生活環境の保全」と「公衆衛生の向上」となっています。そのためには、ゴミを減らしたり再生利用をする必要があります。

第一条 この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的とする。

大量生産&大量消費のスタイルを見直して循環型社会にするために、「3R」という考え方が知られています。
リデュースはゴミになるものを買わないこと。リユースはビール瓶などを洗浄・消毒して再び使うこと。リサイクルは細断して原材料や燃料にすることです。

Reduce(リデュース:廃棄物の発生抑制)
省資源化や長寿命化といった取組みを通じて製品の製造、流通、使用などに係る資源利用効率を高め、廃棄物とならざるを得ない形での資源の利用を極力少なくする。

Reuse(リユース:再使用)
一旦使用された製品を回収し、必要に応じて適切な処置を施しつつ製品として再使用を図る。または、再使用可能な部品の利用を図る。

Recycle(リサイクル:再資源化)
一旦使用された製品や製品の製造に伴い発生した副産物を回収し、原材料としての利用(マテリアルリサイクル)または焼却熱のエネルギーとしての利用(サーマルリサイクル)を図る。

分別の目的

ゴミの排出を減らす手段の一つが、ゴミ収集の有料化です。粗大ゴミの収集を有料化することで、大量消費を抑制することが期待できます。他のゴミと区別するために、粗大ゴミは分別する必要がありますね。

また、ビール瓶などは他のゴミと分けて収集することで再使用しやすくなります。古紙などリサイクルできるゴミについても、他のゴミと混ざると分離が大変なので、分別して収集することが望ましいです。
他に、処理設備が故障する原因となるゴミは、適切に処理するために分別する必要があります。花火などの火薬類は爆発して設備を破損する恐れがあります。可燃ゴミに大きい金属類が混ざっていると、溶けた金属が設備に貼り付いてしまう恐れがあります。また、故障の原因ではありませんが、農薬や劇薬は環境や人体への影響が懸念されるため、分別して処理する必要があります。

分別の責任

分別方法を住民に周知し、収集から処分まで行うためには設備や労力が必要ですが、これらを実現するための計画は市町村が決めることになっています(廃棄物処理法の第六条2)。分別の区分を決めるのは自治体の責任ですが、ゴミを排出する住民は分別収集への協力が求められます

第六条 市町村は、当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画(以下「一般廃棄物処理計画」という。)を定めなければならない。
2 一般廃棄物処理計画には、環境省令で定めるところにより、当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関し、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 一般廃棄物の発生量及び処理量の見込み
二 一般廃棄物の排出の抑制のための方策に関する事項
三 分別して収集するものとした一般廃棄物の種類及び分別の区分
四 一般廃棄物の適正な処理及びこれを実施する者に関する基本的事項
五 一般廃棄物の処理施設の整備に関する事項

リサイクルを目的とする分別の区分

リデュースを目的とする粗大ゴミの分別や、リユースを目的とする瓶を分別する必要性については、理解できました。
一方、分別で迷うのがリサイクルに関する区分です。紙製品でも汚れていれば可燃ゴミに分類されたり、プラスチックでも製品そのものは可燃ゴミになったり。。これらは、リサイクルする方が環境負荷や人的負担が大きくなる場合があるためです。
そこで、リサイクルを目的とする分別について、区分の設定理由を考えてみます。

区分理由1:法律で義務づけられている

リサイクルの効果と必要性が研究などで認められているものについては、法律によってリサイクルすることが義務付けられています。主な法律は次の通りです。

法律(通称) 対象品目 施工年
容器包装リサイクル法 使い捨てが前提の、紙製やプラスチック製の包装容器 平成12年(2000年)
資源有効利用促進法 パソコン、充電式電池など 平成13年(2001年)
家電リサイクル法 エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機 平成13年(2001年)
自動車リサイクル法 四輪自動車 平成17年(2005年)

区分理由2:リサイクル処理の方法が異なる

例えば、ガラス製品とプラスチック製品はどちらも細断して原料にできますが、別々に処理する必要があります。施設も違いますし、担当する処理業者の違いもあります。
また、ダンボールは紙製品からリサイクルできますが、同じ製品であるダンボールからリサイクルするのがもっとも効率的です(当たり前ですが)。同様に、新聞紙も新聞紙へのリサイクルに向いています。古紙でもダンボールや新聞紙を分別するのは、このように効率化を図る目的があるようです。

区分理由3:リサイクルするとコスト負担が大きい

容器包装プラスチックは資源ごみとして回収されるにも関わらず、プラスチック製品(バケツなど)は可燃ゴミという扱いの自治体が多いのではないでしょうか。
容器包装プラスチックはリサイクル処理費用も含めて事業者が負担する前提担っていますが、プラスチック製品はリサイクル義務がなくシステムも確立していないようです。リサイクル処理料もメーカーが負担するとなると、100均からプラスチック製品が姿を消しそうですね。。
そもそもプラスチックは耐久性が高いので、10年以上使えるものが多いです。容器包装プラスチックと違って頻繁にゴミとして出されるとは言えないので、その処理料をメーカーに負担させるというのは無理があるという考え方のようです。

区分理由4:リサイクルすると環境によくない

紙類の容器包装でも、汚れていたりシールがついていると、そのままリサイクルすることができません。洗浄や分離をするためには設備投資や追加作業が必要になり、焼却処理よりもエネルギーを使ってしまう可能性があります。環境にも作業者にも負担をかけるのであれば、可燃ゴミとして収集・処理した方がよいという考え方のようです。
リサイクルできないゴミについては、焼却することで嵩が減って埋立地に余裕ができますし、衛生面もよくなります。ちなみに、昔は焼却処理で生じるダイオキシンや煤煙の人体への影響が懸念されていましたが、近年の日本の処理施設では適正な温度で燃焼したり、煙をフィルターで抑えたりすることが義務付けられており、健康被害を心配する必要はないようです。

まとめ

分別は自治体の方針に従いましょう。それでも可燃ゴミと分けるべきか迷った場合は、次のように考えればよいと思います。

  1. 法的義務があるか(容器包装類、家電など)
  2. 焼却処理できない危険物が混ざっていないか(火薬類、劇薬など)
  3. リサイクルしやすそうか(洗浄・分離をせずに利用できそうか)

これらの基準でも判断できないものは可燃ゴミでよさそうな気がします。昔はそもそも分別していなかったので、せめて現代の知見でリユース、リサイクルした方がよいとわかるものを分別できればよいのではないでしょうか。
もちろん、自治体の窓口に問い合わせれば適切な分類について教えてもらえますが、基本的には3Rの考え方に基づいて判断すればよさそうです。

最後に、プラスチックゴミの分別を考える上でわかりやすい資料を見つけたので紹介します。